身銭を切らずに海外に行きたい→世界にドリフト文化を作った男 熊久保信重
どうも皆さんこんにちは!現在mt.innでインターン中のK-taです。突然ですが皆さんはここ福島県二本松市で生まれて世界へ広まったスポーツがあることを知っていますか?
後輪を横滑りさせてカーブを切るドリフト走行。ドリフト文化がここ二本松から世界へ広まった事はあまり知られていません。そして実はmt.innから車で5分ちょっとの所に世界有数のドリフトの聖地 “エビスサーキット” があります。コロナ前の一昨年はアメリカやオーストラリアからのお客さんを中心に多くの方がドリフトをしにいらっしゃってmt.innにも宿泊して頂きました。エビスサーキットについては以前も紹介記事を書いているので詳しく知りたい方は下記ページをチェックしてみて下さい。
魅力いっぱいのエビスサーキット!そのコースやイベントの内容とは?
アクティビティ好きの温泉宿としてこのブログを通じてエビスサーキットに関する特集記事を連載していきます。記念すべき今回の第一号記事ではエビスサーキットの社長である熊久保信重さんにインタビューしてきました!
<<プロフィール | 熊久保信重氏>>
エビスサーキット代表取締役社長。1970年福島県二本松市生まれ。幼少の頃からモトクロスを始め24歳の時にドリフトに目覚める。2001年D1グランプリ(全日本プロドリフト選手権)に初参戦、そしてシリーズチャンピオンに。2002年から世界中でドリフトを広める伝道師としてドリフトショーやデモランを開催。近年は世界中からドリフトを学びたいと来日する外国人たちのスクールも手がける。ニックネームはクマ。
ー目次ー
- 世界にドリフトを広めた理由
- 今後、外国に向けた事業計画
- エビスサーキットの未来
・世界にドリフト文化を広めた理由
ードリフトを世界に普及しようと思ったきっかけは何ですか?
まず、ドリフト業界に入った経緯からお話しすると、当初は趣味としてドリフトをしていました。ただ、走るにはお金がかかってくる。そこで、お金をかけずにドリフトをするには「仕事」にするしかないと考え、この業界に入りました。
エビスサーキットを経営する中で、ナイター走行したりイベントをやったりすることでそれなりに結果が出始めてきたんですよ。そんな中で、当時僕は海外にいくことが好きで、海外にいきたいとずっと思ってました。だけど、当時はそんなお金なくて… 海外に行くためにはどうすればいいか考えたときに、身銭を切らずに行くためには仕事にすればいいと考えました。
ー世界にドリフト文化を広めるために、最初どんなことをしていましたか?
自分が海外で仕事するために、ネタを考えました。その結果、ドリフトショーを海外でやろうと考えたんですよ。そのために、最初はアメリカに行きました。その時、僕のなかで変な先入観があってアメリカで成功するには白人に認めてもらう必要があると考えていました。だから、白人が経営する企業に営業したんですよ。
当時は人種差別がひどかったので、一度目の訪問では鼻であしらわれ、二度目は肌の色で差別され。それでも、めげずに現地に出向き、三度目に相手先の社長と話す機会がもらえました。そこで、ドリフトの映像を見せたりしました。ただ、それだけではなく生のドリフトを見せたいと思ったんですよ。それで、船で車二台をアメリカまで送らせて、現地の会社の駐車場でドリフトショーをやりました。それから、あちらの社長の態度が180度変わって本格的な話が始まりました。
社長から
「お前らは一体何をしたいんだ?」
と聞かれ
「ラスベガスでショーをしたい!」
と言ったら、ラスベガスで行われる世界最大のカーショーであるセマショーの駐車場を貸切ってくれて、実際にショーをさせてもらいました。それはもうすごい盛り上がりでしたね。どこ行ってもスター待遇でしたね。最高でした(笑)。
それから、全米ツアーをさせてもらうようになりました。全米ツアー四年目の年には、デカいトレーラーが二台用意されていて、めちゃくちゃテンション上がりましたね。子供の頃の夢が叶った感じでした(笑)。
・今後、海外に向けた事業計画
ー今後、海外の客層にむけてどんなことをやろうとしてますか?
東南アジアの若い子たちを対象に、エビスサーキットをプロレーサーを養成する施設にしようと考えてます。一年くらい福島に来てもらって、ほぼ毎日練習ができる環境を作ってあげようと思ってますね。なので、mt.innで寝泊まりしてエビスサーキットで練習するって感じが理想です。
ただ、この計画を行うにはビザの問題があって… 現在、就業ビザとかはあるんですが、トレーニングを目的としたビザ発行は日本はやってないので、「トレーニングビザ」を発行させようと行政と話し合いを進めてます。
また、福島県はエクストリームツーリズムを普及させようとしてる中で、プロレーサー養成施設の事業は重要になると思いますね。
ープロレーサー養成施設の案を思いついたきっかけってありますか?
震災直後に、中国人を対象に、宮城県と福島県に一日でも滞在すればシングルビザがマルチビザに変わる制度ですかね。この制度を知った時に、トレーニングビザのことを考えつきました。また、東南アジアの人をターゲットにしている理由を説明すると、今までエクストリームスポーツをするとなると、アメリカに行くしかなかったんです。日本の福島でできたら、アジア圏内の人からするとすごく近いんですよ。特に、東南アジアは経済成長して、富裕層が多くなってきてますし、「親が自分の子どもを良く見せたい」と思っている特徴があり、子供のためなら大金を使う人が多くいる。これが、マーケットとして東南アジアの人をターゲットにしてる理由です。
・エビスサーキットの未来
熊久保社長(写真左側)との記念写真
ー今後、ドリフト業界は衰退していくと言われてますが、御社としてはどのようにお考えですか?
これからは、エビスサーキットには遊びに来る層、学びに来る層に分かれてくると思います。遊びに来る層はいわゆる、観光目的。学びに来る層は、プロになろうとしてる人たちです。このように、二極化していくと考えています。例えば、ドリフト祭りの時、車を買って一週間楽しむといった「趣味程度」の層は今後減少していくと思います。主な理由は、ドリフト車が減少しているからです。
ただ、今後も遊びに来る層、学びに来る層の「極端な層」はなくならないと考えてます。なので、それらをターゲットにしたコンテンツを充実をさせていこうと考えてます。
この記事をかいた人
K-ta
mt.innのエヴァンジェリスト担当。大学3年次を休学しカナダ留学する予定がコロナで断念。その後、関西から福島へ拠点を移しmt.innへジョイン。ラグビーで鍛え上げた体力を生かしエビスサーキットをはじめとするアクティビティ事業の企画・運営を行っている。