熊は危険!遭遇しないため&万一遭遇したときの対策方法!
登山中の熊との遭遇は恐ろしいものです。熊による被害も数多く報告されています。
初心者が登る山でも熊が出る可能性があります。登山をする際には気を付けて対策しておくようにしましょう。
1:登山で熊とバッタリ遭遇しないためには
熊は基本的に人間との遭遇を避けて暮らしている生き物です。
しかし登山とは、人間が熊の生活圏内に入ることを意味します。バッタリ遭遇する危険もあるため、避ける工夫が必要です。
音を鳴らして人の存在を熊に知らせる
音を鳴らせば熊に人の存在を知らせて遠ざけることができます。有名なものに「熊鈴」があります。登山者の間では持っている人も多いアイテムです
。鈴の音を聞いた熊は、そこに人がいると知って距離を取るでしょう。
熊鈴以外にはラジオも効果的です。基本的に「音を出せるもの」であれば問題ないため、携行に負担がないものを選ぶと良いでしょう。迷ったときには熊鈴が一番です。
周りが見えにくい場所では常に周囲に気を配る
登山コースによっては見晴らしが悪い場所があります。深いくさむらや樹木が多い場所では、どこに熊が潜んでいるか分からない状況です。
常に周囲に気を配るべきです。同時に大きな音を立てながら存在をアピールします。
また、人間が見通しが悪いと感じる場所は熊もまた同様です。人間の気配を感じて距離を取ろうとした熊とバッタリ…ということも考えられます。
安全のため、あまりにも見通しが悪い場所に出たときには登山を中止する選択も視野に入れるべきでしょう。
2:熊が出没しやすい場所を避ける
季節によって熊が出没しやすい場所が異なっています。登山コースの選定時に意識しておくべきです。
春は標高の低い沢沿いに注意
春は熊が活発になる時期です。熊が冬眠から目覚め、エサを求めて行動を始めます。
標高の低い沢沿いにある植物を食べたり水を飲んだりするため、この地域には近付かないほうが良い季節です。
また、春は冬眠中に死んだ動物の死骸も多く、冬眠明けの熊はそれも食糧にしています。
動物の死骸を見つけても近付かず、熊の存在を意識してその場を離れるのが有効な対策方法です。
夏は草原、登山道沿い
夏は草原や登山道沿いが要注意です。夏の熊はまずアリを食べに現れます。
アリの巣が多い草原は熊の大切な餌場です。登山道・道路脇などにもアリの巣が密集しているケースがあるため、注意して歩くべきです。熊鈴などの携行のような対策方法も重要です。
登山道沿いの危険はアリの巣以外にもあります。熊は高山植物の実も食糧にしているため、登山道沿いに目的の高山植物がある場合には遭遇の危険性が高まります。
高山植物は標高が高い場所にあり、登山道が狭いケースも多くなっています。万一遭遇した際の逃げ道が狭いということにも繋がりますので、充分な注意が必要です。
秋は河口付近や下流域
秋は鮭が川を遡上してくる時期です。この鮭も熊にとって重要な食事です。
河口付近、鮭を捕りやすい下流域での出没がよく見られます。
鮭を狙っているときの熊は狩りに集中しているため、熊鈴などに気付きにくくなっています。
事前に遠ざけられないかもしれないので、河口付近や下流域には最初から近付かないほうが無難でしょう。
3:熊を寄せ付けないようにするには
熊被害は歩行中はもちろん、キャンプ中に起こることも多々あります。キャンプ場付近に熊を寄せ付けない対策方法が必要です。
食べ物を捨てたり放置しないこと
登山のルールとして「ごみはすべて持ち帰る」というものがあります。
これも熊対策に有効な方法です。登山中の食事の食べ残し、包み紙など、必ず持ち帰ることが鉄則です。
包み紙程度なら良いのでは?と思うかも知れませんが、包み紙についた僅かなカスやにおいだけでも熊は敏感に感じ取ります。
「美味しい」と感じたら再び同じものを求める可能性があります。
一度人間の食べ物の味を覚えた熊は、その後、人間を襲うようになると言われています。人間が食糧を持っていると認識するからです。
そのような危険を避けるためにも、食べ物を捨てる、放置するという行為は厳禁だと考えておくべきでしょう。
料理と食事はテントから離れた場所ですること
キャンプでテントを張ればお楽しみの食事時間です。持ち込んだ材料で美味しい料理を作る人も多いでしょう。このときも熊への対策を意識する必要があります。
まず、テントの中での料理は絶対にやめるべきです。テント内に料理のにおいが残り、熊を引き寄せる結果に繋がります。
テントから最低でも100メートルの距離を取った場所で料理をすると安心です。食事も同様で、テントから離れた場所で食べるようにすると良いでしょう。
テントの中での食料の保管も厳禁です。料理・食事と同様に、テントから100メートル離れた場所に置きます。
料理で出た生ごみや調理器具・食器はビニール袋に入れて密閉しておきましょう。
キャンプ場によってはごみを捨てる場所が決められています。熊の被害に遭わないための専用コンテナが置かれていますので、そこに捨てることがルールです。
また、熊対策のコンテナは携帯用のものもありますので、必要な人は購入やレンタルを考えるとより安心です。
4:登山で熊と遭遇してしまったときの対処方法
大きな声を出さない
熊に遭遇しないように音を出して登山をするということとは矛盾しているように思えますが、「熊に遭遇してしまったら」、もはや状況はまったく異なっています。
遭遇した熊の付近で大声を出すと、熊を刺激してしまいます。
熊にとって大声はストレスになるものです。興奮して襲い掛かってくる可能性が高くなります。
走って逃げない
熊は走っているものを追いかける習性があります。どんなに足が速い人でも、熊はそれ以上のスピードで走ります。
恐怖から逃げるために走りたくなるのは当然ですが、熊に遭遇したときには決して走らないことが被害軽減に繋がります。
熊に遭遇して逃げるときには背中を向けず、焦らず、ゆっくりと後ろ向きのまま後ずさって距離を取る方法がベストです。
死んだふりをしない
「熊に遭ったら死んだふりをする」という噂を聞いたことがある人も多いかもしれませんが、これはまったく推奨されない方法です。熊は動物の死骸でもエサとして食べる習性があります。
冬を越せなかった動物の死骸を冬眠明けに食べることもあるのです。
人間ほど大きな個体なら、熊にとってご馳走です。死んだふりをしていたら喜んで食べにかかるでしょう。
また、最初はエサとして認識していなくても、興味を持って近寄ってくる可能性があります。熊との距離がさらに縮まってしまう状況です。死んだふりではなく、他の方法で遭遇を切り抜けるべきでしょう。
5:まとめ
登山中の熊との遭遇はある程度の対策で避けることができます。
熊鈴のような音を出せるものを持ち歩くこと、熊が出る場所は登山ルートから外すことなど、事前にできる対策はそれなりに多いものです。
登山中、キャンプ中も、適切な行動で熊を寄せ付けずに過ごすことができます。
特にキャンプ場での食料の扱いには厳重な注意が必要です。万一遭遇してしまったら、大きな声を出さず、適切な行動で距離を取るべきでしょう。
対策方法次第で熊を遠ざけることは可能です。楽しい登山のためにも、積極的な熊対策を行いましょう。